創作ノート:蛇と林檎

旧約聖書の「原罪の物語」。

Adam’s appleとは英語で「のど仏」のことで、禁断の果実を口にしたアダムが、のどに詰まらせてしまった逸話による。
エデンの園で、蛇に知恵の木(善悪の木)の実を食べるようにそそのかされたイブ、そのイブから促されたアダム。
聖書には善悪の木の実が「りんご」であるという記述はなく、りんごの他にイチジクであるという説もあるが、やはり「りんご」のイメージが強い。

二人は神の怒りを買い、楽園を追放され、
蛇は、永劫に地を這うことを運命づけられる。(インドネシアには「flying snake」空を飛ぶ蛇なんてのも存在するけど・・・)

この原罪の物語は非常に重要で、人類が犯す最初の罪であり、人間の存在自体が罪であるということ。キリスト教では、この旧約聖書でイブの犯した罪を後に新約聖書のマリア(マリアが身籠った神の子イエス)が贖う。そのため、受胎告知や無原罪の御宿り(マリアの誕生)のシーンでは度々、画面の端にこの原罪の場面が描かれる。

モチーフに使用したりんごの種と蛇の皮はアトリビュート(西洋絵画における、その人物を端的に表す持ち物、アイテム)のようなもの。
この二つが並べばそれで事足りる。それほど簡略化されたイメージであると言える。