ギリシャ神話の登場人物などから名付けられた北半球の星座と違い、
南半球の星座にはコンパスや羅針盤などの航海に必要な道具、
またはカメレオンやトビウオなどの動物の名前がつけられている。
しかし、それもまたある種のロマンティシズムを感じさせる。
大航海時代、南半球への進出に伴って星々に名前をつける必要が生じたためだそう。
南半球には、もともと人があまり住んでいないため、星座にまつわる神話などもほとんどなかったようだ。
『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』はフィリップ・K・ディックのSF小説で映画『ブレードランナー』の原作。
この邦題は「〇〇は〇〇の夢を見るか」という多くのパロディを派生させている。
この作品もそれになぞらい、
「北半球の動物園で生まれたカンガルーは南半球の星空の夢を見るか」ということをイメージした。
南十字星
砂に眠るカンガルー
この言葉が最初のイメージだったが、作っていくうちに方向がそれていった。
もっとロマンチックで、叙情的なイメージを持っていたのだが・・・。
よく小説や漫画の登場人物が勝手に動き始める・・と聞くが、似たようなものだろうか。
最終的に、移動式の小さな劇場のような可愛らしさが生まれたと思う。