創作ノート:「Good Sleep」

眠りと死。
ヨーロッパの民話「眠れる森の美女」は、100年後に目を覚ますという呪いを受ける。
100年の眠り・・・目覚めた時には周囲は様変わりしているだろう。
それほどの長い眠りは、それまでに生きてきた時代の死を知るのではないか。

人工冬眠、「2001年宇宙の旅」では宇宙船の乗員5名のうち3名が目的地に着くまでの間、人工冬眠カプセルの中で眠っている。
時間軸はもはや意味を持たない。

長い長い眠りの間、人はどのような夢を見るだろうか。
・・・なにわのことも夢のまた夢・・・。
それとも、人生そのものが長い夢であるのか。

しかし、日常では「眠り」は優しい薬だ。
意識は休息し、細胞は修復を始め、記憶は整理され再構成される。
心の痛み、体の痛み。
ありがたいことに、たいていのことは一晩眠ればなんとかなります。