創作ノート:「Birthday」

生まれたその日と同じ位置に巡ってくる太陽。
誰にとっても誕生日は特別な日だ。

誕生を最も祝福されている人物といえば、イエス・キリストではないだろうか。

イエスはベツレヘムの馬小屋で生まれた。
父ヨセフの故郷であるベツレヘムでの人口調査登録のため、臨月の妻を伴ってナザレからやって来たが、宿泊先がどこもいっぱいで泊まることができず、馬小屋に泊まるしかなかったためだ。

ベツレヘム近郊で野宿しながらヒツジの番をしていた羊飼いたちに天使が現れ、救世主が生まれたことを告げる。
(この記述からもイエスの本当の誕生日は真冬ではないことがうかがわれる)
羊飼いたちはイエスを崇めた最初の人々となった。
そしてベツレヘムの星の光に導かれ、3人のマギたちがやってくる。
絵画作品によく描かれる場面であり、「東方の三博士」「マギの礼拝」と呼ばれる。

そして、クリスマスには世界の多くの国で、その「生誕」が祝福されている。
イエスの生誕を祝う祝日ではあるが、サンタクロースの伝承と結びつき、今となってはクリスマス商戦などが繰り広げられ、宗教的なニュアンスはあまり感じられないが、
12月25日という設定からして、キリスト教布教以前の土着的な冬至の祭りと結びつけたものであるから、当たり前といえば当たり前だ。

この作品は、馬小屋のイメージに、アンティークの星図やマギの礼拝を彷彿とさせる「3」つの卵など加え、少しオリエンタルなテイストになるように仕上げた。