コラージュの手法で「花鳥風月」を題材に制作したら、どのようなものができるだろう。
という出発点からなる作品。いわゆる東洋的ではないテイストで。
けれど、もう少し年を取ったら、一幅の「東洋的花鳥風月」な絵を仕上げてみたいと思うようになってきた。
心に浮かぶ題材があるからだ。
藤の花にアルビノのツチノコ・・・。
藤は自宅近くに自生している。まさに野趣溢れるといった風情で好ましい。
白いツチノコ(のような生物)は、近所の人から聞いた話から興味を持った。
それは正確に言えば、ツチノコというよりは「妖怪」のようなものだという。
白いブヨブヨした脂肪の塊のような物体が、とぐろを巻く蛇のように蠢きながら茂みの奥へ消えていったそうだ。その妖怪(?)は、調べたところ、福岡県に伝わる「糟屋郡の白いばけもの」とそっくりだという。
福岡市博物館のホームページによれば、約2メートル四方の白い綿のような塊で、目や鼻があり、ゆらゆらとして水海月(みずくらげ)のようなバケモノ・・・で、これは狸の仕業らしいのだ。
そう言えば、自宅周辺で狸を見かけたことがある。
古来より狸は人を化かすといわれる。
まさに「信じるか信じないかはあなた次第」といったところなのだが、里山に近い山野であっても、何か妖気というか、独特の気配が漂っているものだ。
昔の人々がそういった「気配」からなる不思議な出来事を「狸に化かされる」という表現に結びつけたということはあるかもしれない。
しかし、さすがに白いブヨブヨした脂肪の塊は描きたくないから、ツチノコあたりがちょうど良い。やはり王道を外れた「花鳥風月」になりそうだ。