創作ノート:虹

善き羊飼い。
羊のために命を捨てるイエスの比喩。
神に約束された契約の証、虹。

使用した写真はノルマンディーの牧草地。
ノルマンディーは「北の人間の土地」という意味だそうだ。
荒涼とした海辺の草地。カイユボットの作品にもある。

「北」という最果てのイメージ。
そこに「神」との対話という厳かなイメージが重なり合う。
羊飼いは実際、過酷な仕事であったそうだ。
身分的には社会の最下層にあり、狼や盗人から命をかけて羊たちを守らなければならない。
イエスの誕生に一番に駆けつけられたのも夜を通して番をしていたからだ。

荒涼とした大地に「契約の虹」という「希望」。
そのモチーフに合わせて、虹は色味を抑え、全体もモノクロームに近い色合いに。