作品に用いたのはルドゥーテの薔薇。
ルドゥーテは18世紀から19世紀のフランス宮廷で活躍した「薔薇の画家」として有名な画家。
物心ついた時から絵を描いているけれど、そういえば薔薇を描いたことがない。
ひまわりもないけど・・・。
花を描いた記憶は高校の時、日本画の授業で描いたドクダミだけ。
ドクダミといえば、「少女漫画界に咲くドクダミの花」こと岡田あーみん先生を思い出す。
『お父さんは心配性』は『りぼん』に掲載されていた作品の中で強烈な異彩を放っていた。
娘のデートの尾行中に、お父さんがエスカレーターに吸い込まれてしまうというコマが秀逸でした。
それはさておき、薄暗い日陰に群生するドクダミは夜空に瞬く星のようで美しい。
単体ではなく群生により美しさが増す花だ。
桜、紫陽花などもそうだろう。
単体であれば、牡丹やダリア、薔薇がやはり美しい。
「薔薇の画家」など、ボタニカルアートの画家たちとはまた違う、
学術的な植物画のカテゴリーとは別の意味合いがあるように思う。
本作は「優美を絵に描いたような」を具現化したら、このような作品になるのではないか、
ということで制作した。
妖精や小人の女の子が一生懸命に薔薇の庭で絵を描いている。
愛らしく、平和な、薔薇の世界。