創作ノート:動物誌- De historia animalium -“Giraffa camelopardalis”

キリンは進化論を語る時、必ずでてくる。いわば大看板の動物だ。
学名“Giraffa camelopardalis”
アラビア語で「上品な動物」、「速く進むもの」を由来とするギリシャ語「Giraffa」。
キリンは頭部がラクダに似ており、体の斑紋はヒョウに似ていることから「ラクダヒョウ」を意味するラテン語「camelopardalis」
この二つを合わせたもの。

キリンの首はなぜ長い。
この生きるに不利であろうハンディキャップを背負った動物の謎。
自然選択、
環境への適応、自然淘汰、生存戦略・・・。
突然変異、
生物の(遺伝子)生き残りをかけた長い歴史の中で起こる細胞のミスコピー?
はたまたウイルスの驚異?
いずれにせよ、非常に優美な造形だ。

不利を乗り越える順応と、幸運。
神のサイコロ遊びとはいかなるものか?

この作品は、アイボリーにほんの少し黄味を足して、
ブロンズとセピア。これが色の基調。
19世紀末の生物学の実験室のような、クラシカルなムードで。
飴色の枠、これは試行錯誤してこの色に落ち着いた。
古い校舎、使い古した机の色だ。
子供の頃、祖母がよくくれた「黄金糖」の濃い方(紅茶だったか)の色合いに似ている。
どれもこれもがノスタルジー。