創作ノート:「神はサイコロを振らない」

不確定性、偶然性、量子力学の話。

「観測するまで物事の状態は確定しない」というコペンハーゲン解釈。
因果律に支配された決定論、これを否定する確率解釈。
この確率解釈を揶揄して、かのアインシュタインは「神はサイコロを振らない」と言った。
(有名な思考実験である「シュレーディンガーの猫」も確率解釈を否定するために生まれた)

決着は「ベルの定理」によって決まる。
アインシュタインの考えが間違っていたことが実験で証明された。
確率解釈という、どっちに転ぶか誰にもわからないもの。
良い方に作用するという保証はない。

しかし、「可能性」は人に「夢」を与える。それゆえに翻弄されたり、失望したりもするけれど。
ゲームやギャンブル、サイコロ遊びの歴史は古い。
確率、予測、楽観性。そして人はついつい「運」に身を委ねてしまう。
自分が負ける可能性だって大いにあるにもかかわらず・・・。
一か八か、賭けの醍醐味。
バカだなあ、でも・・・。
だって、一度もサイコロを振らない人生なんてつまらない。

娯楽的、一攫千金的なギャンブル要素は「それはそれ」ということでさておき、
「可能性が魅せる夢」に向かって懸命に生きることに人生の美しさがあるのではないかと思う。
しょっちゅう、こんな青臭いことを考えているが、そうでも思わなければ人生やっていられないからなのだけれども。