
眠りと死。
ヨーロッパの民話「眠れる森の美女」は、100年後に目を覚ますという呪いを受ける。
100年の眠り・・・目覚めた時には周囲は様変わりしているだろう。
それほどの長い眠りは、それまでに生きてきた時代の死を知るのではないか。
いや、今の感覚からすれば、社会の変化は非常に早いが、1000年と1100年の社会の違いはどれほどあっただろう。
人工冬眠、「2001年宇宙の旅」では宇宙船の乗員5名のうち3名が目的地に着くまでの間、人工冬眠カプセルの中で眠っている。
手塚治虫「火の鳥」未来編では、コンピュータの暴走による核戦争後たった一人生き残ったマサトが、人工冬眠装置の中で眠る女性の目覚めを待ち望んでいた。
長い長い眠りの間、人はどのような夢を見るだろうか。
・・・なにわのことも夢のまた夢・・・。
人生そのものが長い夢であるのか。
しかし、日常では「眠り」は優しい薬だ。
意識は休息し、細胞は修復を始め、記憶は整理され再構成される。
連続する時間(意識)の流れを「眠り」という無意識が一時的に断つ。
リセットされた意識は目覚めた時に新しい世界に降り立つ。
まるで小さなタイムマシンのようだ。
心の痛み、体の痛み。
ありがたいことに、たいていのことは一晩眠ればなんとかなります。