創作ノート:目を星に向け、足を地につけよ

写真を用いて制作する際の選択に二通りあり、一つはテーマが既に頭の中にあって、それに合う写真を探す。
もう一つは写真からインスピレーションを受けたテーマを用いる。
ほとんどの作品が前者によるものの、稀に後者によった制作をすることがある。

この作品はその稀なるものの一つ。
この写真の男の子の面構え(なんとなくイギリスの元首相ウィンストン・チャーチルを思わせるものがあった)が気に入って手に入れたのだが、かなり長い間眠らせておくこととなった。
「名言」をテーマに小品を制作しようと思ったとき、この写真が浮上する。
前述したが、彼の面構えが「政治家」を思わせるものだったから。

テディ・ベアと写真に収まっていることもあり、連想としては自然とアメリカ第26代大統領セオドア・ルーズベルトにたどり着く。
作品タイトルとなった「目を星に向け、足を地につけよ」は、
「古き良き、そして強いアメリカ」を体現するかのような、いかにも大国のリーダーにふさわしい理想と剛健質実を併せ持つ言葉だ。

こういったスピリットに対する共感はないが、強者には強者のセオリーがあるものだ。
それはそれで、この世界のバランスを形作る要素の一つだと思う。