創作ノート:「リンゴの樹の下で」

リンゴといえば「原罪」をイメージさせ、大変罪深くもあるが、
旺盛な知的好奇心ゆえに発展してきた人類にとって、
「知恵の実」とは非常に抗いがたく、魅惑的な物体と言える。

この小さなイブは両手にリンゴを抱えて欲張りなのが微笑ましい。

聖書の世界では、「原罪」は人間が生まれながらに背負った逃れようのない罪。
そしてそれは、無原罪の御宿りと言われる「原罪」を免れて生まれたマリア、
そのマリアが神の祝福によって身籠もったイエスが十字架に架けられることによって贖ったとされる。
「受胎告知」をテーマとした絵画で、端の方に楽園を終われるアダムとイブが描かれている場合があるのはそのためだ。
壮大な伏線の回収と言える。

科学、そして文明の発展の過程で、過度な好奇心ゆえの「罪」というものは、存在しただろうし、これから先もあるだろう。
それらは必ず「倫理」の問題に直面するはずだ。

そして、贖いとは何だろうか。