創作ノート:蛇と林檎

旧約聖書の「原罪の物語」。 Adam’s appleとは英語で「のど仏」のことで、禁断の果実を口にしたアダムが、のどに詰まらせてしまった逸話による。 エデンの園で、蛇に知恵の木(善悪の木)の実を食べるようにそ...

創作ノート:天文学者

19世紀の天文学者エルンスト・テンペルに触発された作品。 またしてもホワイトスカルプチュア。白を基調にシンプルな構成にした。 テンペルはドイツ生まれ。 1859年に最初の彗星を発見し、プレアデス星団の星雲を発見したが、正...

創作ノート:milk box

思潮社の『現代詩読本 田村隆一』の中で、田村隆一は次のように書いている。 カトリックの作家フランソワ・モーリアックの精神の自叙伝ともいうべき『内面の記録』を読んでいたら、きわめて美しい言葉に出会ったーーーー 幼年期は一つ...

創作ノート:ヤコブの梯子

「ヤコブの梯子」、または「薄明光線」「天使の梯子」。 雲の切れ間から太陽の光が地上に向かって伸びる、あの現象のこと。 ノアの方舟に出てくる、神との契約のしるしである「虹」しかり、この自然現象も旧約聖書の物語では、神の啓示...

創作ノート:小さな詩の入門書

タイトルは、イギリスの映像作家ピーター・グリーナウェイの『プロスペローの本』に出てくる24冊の本のうち「小さな星の入門書」から。 『プロスペローの本』はシェークスピアの『テンペスト』を題材にしている。24冊の本はプロスペ...

創作ノート:安眠装置

「安眠装置」 〜ラベンダーのポプリよりクローン羊の数え方〜 クローン羊、ドリー。 スコットランド、ロスリン研究所でイアン・ウィルムット博士らのグループによって生みだされた雌の羊だ。 紛れもなく1997年のトップニュースで...

黄色い庭 Garden with yellow

幼年期の思い出の風景の中に(それはどれも自宅の裏庭であるのですが)いつも黄色があります。 あまり日当たりの良くない小さな庭に、蝋梅、連翹、夏蜜柑、桜の木が植えられており、蝋梅のそばには石臼があって、祖母がその中で金魚を飼...

言葉のお守り

大切にしている言葉、詩があります。 それは、宮澤賢治の詩集 詩ノート 一〇五四 「何と云われても」 <em>何と云われても わたくしはひかる水玉 つめたい雫 すきとほった雨つぶを 枝いっぱいにみてた 若い山ぐ...

灰の水曜日と「冬の木」

『灰の水曜日』(Ash-Wednesday)はイギリスの詩人、T・S・エリオットの詩で、タイトルの「灰の水曜日」はカトリックの四旬節の最初の水曜日のこと。『四つの四重奏』(T・S・エリオット/岩波文庫)に収められている「...