創作ノート:聖フィナ
私にはお気に入りのカトリック聖人が何人かいる。 オスカー・ワイルド「サロメ」に登場する洗礼者ヨハネは乙女に恋い焦がれられる賢者のイメージだが、実は荒野で生活し、ラクダの衣を纏い野蜜を食す野趣溢れる人物。その祝日が「夏至」...
私にはお気に入りのカトリック聖人が何人かいる。 オスカー・ワイルド「サロメ」に登場する洗礼者ヨハネは乙女に恋い焦がれられる賢者のイメージだが、実は荒野で生活し、ラクダの衣を纏い野蜜を食す野趣溢れる人物。その祝日が「夏至」...
1890年7月27日の日曜日、怪我を負ったゴッホがオーヴェールの下宿先にたどり着く。 体の中に銃弾が残った状態で、医師や警察に「麦畑で自らの胸部を撃った」と語り、7月29日、37歳で生涯を終えた。 その銃は発見されていな...
ティーカップに収まるほどの小さな王国。 緑色の・・・完全なる世界。 無心の、刹那的な、人工的な。 5月のような明度と彩度の高さ。 子供の頃読んだ絵本で『らいおんみどりの日ようび』(中川 李枝子 作/山脇 百合子 絵)とい...
「時祷書」とはカトリックのキリスト教で用いられる祈祷文や聖務日課などの礼拝の手引書をいう。 なぜ、そのように多分に宗教的な時祷書というものに魅せられるのか。 私が聖書の世界に惹かれるのは人間的な物語の宝庫だからだが、 1...
「聖バルバラ」は3世紀キリスト教迫害の時代に殉教した女性。 その美しさのため求婚者たちから遠ざけるべく父親によって塔に幽閉されるが、閉ざされた生活の中で信仰に目覚める。様々な拷問を受けるも神の奇跡によって傷が癒されたため...
旧約聖書の「原罪の物語」。 Adam’s appleとは英語で「のど仏」のことで、禁断の果実を口にしたアダムが、のどに詰まらせてしまった逸話による。 エデンの園で、蛇に知恵の木(善悪の木)の実を食べるようにそ...
19世紀の天文学者エルンスト・テンペルに触発された作品。 またしてもホワイトスカルプチュア。白を基調にシンプルな構成にした。 テンペルはドイツ生まれ。 1859年に最初の彗星を発見し、プレアデス星団の星雲を発見したが、正...
思潮社の『現代詩読本 田村隆一』の中で、田村隆一は次のように書いている。 カトリックの作家フランソワ・モーリアックの精神の自叙伝ともいうべき『内面の記録』を読んでいたら、きわめて美しい言葉に出会ったーーーー 幼年期は一つ...
聖コスマスと聖ダミアヌスは私のお気に入りの聖人だ。 彼らは双子の医者で、医師・薬剤師の守護聖人であり、医師もしくは薬種問屋を起源とするメディチ家の守護聖人でもある。 3世紀末キリスト教迫害の時代にあって、共に斬首により殉...
「ヤコブの梯子」、または「薄明光線」「天使の梯子」。 雲の切れ間から太陽の光が地上に向かって伸びる、あの現象のこと。 ノアの方舟に出てくる、神との契約のしるしである「虹」しかり、この自然現象も旧約聖書の物語では、神の啓示...
タイトルは、イギリスの映像作家ピーター・グリーナウェイの『プロスペローの本』に出てくる24冊の本のうち「小さな星の入門書」から。 『プロスペローの本』はシェークスピアの『テンペスト』を題材にしている。24冊の本はプロスペ...
幼年期の思い出の風景の中に(それはどれも自宅の裏庭であるのですが)いつも黄色がある。 あまり日当たりの良くない小さな庭に、蝋梅、連翹、夏蜜柑、桜の木が植えられており、蝋梅のそばには石臼があって、祖母がその中で金魚を飼って...
『灰の水曜日』(Ash-Wednesday)はイギリスの詩人、T・S・エリオットの詩で、タイトルの「灰の水曜日」はカトリックの四旬節の最初の水曜日のこと。『四つの四重奏』(T・S・エリオット/岩波文庫)に収められている「...